あだちしんご


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作品


さがしもの名人のなくしたもの


灰色の帝都。
まったく同じビル群に、交錯するアスファルト。
電車にゆられての長時間の通勤。
人々は12桁の番号で呼ばれ、うつむきがちに生活している。

貧民街の集合住宅には臣民番号985034196520の名で呼ばれる男が住んでいる。
さがしもの名人である。

――迷子の子猫を見つけるくらい朝飯前だし、うっかり落としたコンタクトレンズだってお手のものである。小さなさがしものばかりではない。生き別れた家族、どうしても思いだせない単語、老人が若かったころになくした大切ななにか(それがなにかさえ忘れてしまっている)、なんでもござれだ――

ある日、彼のもとに宮廷からの密使がおとずれ……

ファンタジックな短編小説。







ゆめみるめざめ


夢のなかで夢をみて、ユウはさまよい続ける。
夢から夢へ、めざめからめざめへ。

ガスマスクの転がる誰もいない部屋、道化と暴君、無限のらせん階段、砂漠の奴隷、お金でできた大都会、がらくたの海と海賊、不思議な神殿、みんなが眠っているまっ白い部屋……
シュールな幻想の数々。

真のめざめとは。
8つの物語からなる連作短編。大人の童話。





言霊

~作家紹介にかえて

言葉とはなんでしょう。
言霊(ことだま)という表現があるとおり、それは、なにか不思議なものです。
ニカラグア手話の事例から、言葉は、そもそも人間にはじめから内在していると考えられます。
耳から言葉をおぼえることがなくても、子供は最初から言葉「そのもの」を持っていて、自分で言葉を発明します。
そのような言葉は、もちろんただの道具などではなく、人間の存在や精神と深く結びついています。
ですから、嘘や、表面的に綺麗なだけで内実のない言葉はよくないといえます。
それは人間を、自分自身を欺くものです。

そんな思いを抱きながら、言葉に、文章に向かいあっています。